0

 ――――大海の王者、鯨。クジラ。所詮それでも池の中の蛙。お山の大将。
  クジラが真に王者足りえるには、海から出ないこと。
海から出たいなら、足を生やせ。それでようやく地上を蹂躙できる。
     陸と海の王者がこれで完成するが、空は鳥のものだ。
ならば、翼を生やすしかない。翼を生やせ、これでようやく地球の覇者となる。
   しかしこれでもまだ、地球という枠に囚われたままだ。宇宙は広大である。
        ならば、宇宙クジラになるしかない、だが宇宙クジラになったところで宇宙は本当に広大だ。宇宙の覇者になるにはどうすればいいのだろうか?
     宇宙そのものになるしかない、そうすれば、すべてはクジラのものだ。
                  だが、それでもまだ足りないだろう、所詮宇宙という世界一つ。その程度で満足していいのか?
 



さぁ、次はどこへ行く?さぁ、次はどうしたい?どうすれば?どこまで行けば?果てはあるのだ?いいや?それとも果てなんかないのか?





 
 1

 ――――歴史の話をしよう。
これは、そう。さっきも言った通り、【クジラ】達の物語だ。
身づからが信じる物を信仰し、死んでいった者たちの物語だ。
後に残るものに、その全てを託すしか術のなかった、無念を抱えた物語だ。
だからこの物語は最初から終わりは決まっている。
【希望が残っただけの】 【BADENDだ】
【そして、希望を――――――】 【      】









【序論】 【ファンタシースター零外史】 【聖者必衰の理を顕す】











「――――惨事元に絶ッ棒したぁぁあああああああああああああああああ!!!」

 魂の雄たけび。
まぁそうも言いたくなるだろう。
地球に棲んでいた人類は暮らしを豊かにすることのみに目を続け、棲むべき在り処が汚染され続けるのを、常に次世代へと託してきた。
科学が魔法の如き力を持ったが―――フォトン粒子を用いた最先端科学があるとはいえ――――何事にも限界はある。
その結果が、母なる母性を眼下に据えながらの月面都市でヒッキー状態だ。

――――地球は、生命が存命できるような環境を残していなかったのである…。

こんな状況で、さらに言うならこんな負の遺産をどうにかするために、地球をテラフォーミングしろなんていうのが世論の動きで通ってしまい
なまじ、そんな荒唐無稽が実現可能な程度な頭脳と確かな技術開発の腕があったがために、全ての矢面に立たされることになってしまったヒキコモリはこう言う。


『――――絶望したっ! ボクに全部放り投げようとする世界に絶望したっ!』


旧時代カセットゲームでやったドラゴンにクエスチョンしちゃう作品の一作目の主人公もこんなかんじだったのだろう。
そんなこんなで、やってられなかった少年は真剣に自殺しようとしたが、家族や幼馴染にティロフィナーられて、物理で殴られるとモヤシな少年は拘束された。

『人権はっ?! 僕の人権はいずこにぃいいいい?!』

などと喚き散らしていたが、人類は生きるか死ぬかの存亡、分岐点にあり、いくら技術があっても基となるものがなければどうにもならない。
所詮、人類は地球という恵まれた環境がなければ生きていくことはできないのだ。


『いやしらね―からっ!しったこっちゃねーからっ!勝手に滅んどけよ!ぼくはエロゲーをしたいんだぁああああああああああああ!』


だが断る。
あ、子孫のことだけど、幼馴染のあの子、顔真っ赤にしてOKサインだしてくれたから、精々励みなさい。


『う、うそだ・・・うそだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』


――――チーン。


「絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる
 絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる
 絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる
 絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる
 絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる絶対引き籠ってやる」

「えへへぇ、はかせぇ・・・」


 何度も言うが、人類存亡の危機である。
個人の事情にイチイチ構ってたら全滅するので、これはいた仕方ない処置なのである、まる。












 2

 一夜にして少年から大人への階段を昇った青年は、もうなんか悟ってしまったようで気安く自分の名前を呼んでくる幼馴染の存在を
半ばあきらめと共に受け入れ・・・たくないけど、受け入れるしかなかった。認知ってなんだよ!責任ってなぁにそれぇ?泣きそうな顔で上目遣いするなぁあああああ!!
とにかくそんなわけで、次の日から嫌々ながらも助手たる幼馴染に付きまとわれつつ、地球復興プロジェクトを開始することになった。


「・・・正直、ここ数日でボクの心はチリヂリに散らされた。よってボクは基本的に何もしたくない」
「ぇえっ! そんなのだめですよーぅ!」
「オマエもその一因だろうがっ!」
「ひゃうっ・・・」
「とにかくっ!ボクは働きたくないっ!そもそも手段を委ねるしかない愚民共の為に何故ボクが動いてやらねばならんのだ」
「それはー、その、ハカセ以外に出来そうな人がいないから・・・」
「それだよ」
「ふぇ?」
「創ってやる・・・ボクより頭がよくて、ボクを押しこめるDQN共なんか目じゃない暴力を持って、どんなことだろうが問題にならない奴をなぁ・・・!」
「ハ、ハカセが燃え萌えですぅ・・・」

以上のようなピロートークから、創られた三つの種族。
ニューマン、キャスト、ビースト。
それらを創ったのは、人類たるヒューマン・・・なのだが、
造物主たるハカセが人間的にアレだったがために、出来た最初のオリジナルはどいつもこいつもぶっ飛んでいた。


 ――――最初に創られたのはニューマンである。
最初にニューマンだったのは、ハカセは産みの苦しみに自分だけがウンウン唸るのは不公平だと考えて創ったのである。
コンセプトは頭脳領域の限界までの到達。つまり人工的な先天的天才を創る為の研究でできちゃった子供である。
ちなみに遺伝子は月面都市中の遺伝子の頭脳労働方面の優性遺伝子で組み上げた上に、フォトン粒子で加工。あとはハカセ好みにした。
当然女の子である。エロゲーから飛び出してきたような純真無垢なロリーを欲望のままに創り上げようとして・・・失敗した。いやある意味大成功だった。


『天上天下唯我独尊!』


 ――――誕生の瞬間これである。
胎教にいいからと、ハカセの好みを催眠術にフォトンを組み合わせてやってたのだから完全に確信犯だ。
その事実を知った家族と幼馴染にティロフィナーられて、物理で殴られた後、家族会議である。
全ての事情をゲロさせられて、身も心もズタボロになったハカセであったが、誰が何と言おうと育児権利は主張した。
まぁ今まで周囲がハカセに求め過ぎた結果がこれであるので、そうそうにとき伏せられ、ニューマンオリジナルはハカセ色に染まりつつ、その天才性をなんなく発揮していった。


「とーちゃん、とーちゃん」
「んー?」
「精密作業と決められた動作過程を効率的に行う為の失敗を極力起こさない存在を私は誕生日プレゼントとして欲しいのだが手伝ってくれないだろうか?」
「仕様書はー?」
「これ」
「そういやぁー、もうすぐ一歳だったなぁー。ふぅーん。ふむふむ。ペラペラ」
「………ドキドキ」
「ふんふん。まぁ細かいミスは見受けられるが概ねこれで行けるだろうな、よぉおおしっ!いくぞっ!日曜大工っ!」
「にちよーぅだぁーぃくぅー!」


 ―――で、身も蓋もないが、次に出来たのはキャストであった。
自分の子供も出来て、人生経験的に考えてなんか悟っちゃったハカセは若気の至りの頃と比べると大分その精神性に落ち着きを持ったが
同時に完全に燃え尽きる直前のジジイ精神だった為、かわいい孫が玩具を強請ってくる時にだけやる気を出すような枯れ枝になっていた。
それを見ながら幼馴染もとい妻はニコニコ笑い、家族連中は【計画道理っ!】と嗤うのであった。ちなみに主犯格はハカセの妹である。
ニューマンオリジナル、略してユオルにどうこうすれば、ハカセを動かせるわよ?とか扇動しまくりの煽り屋、それがハカセ妹であった。















 3

 それはともかく。
それはともかくで出来たのがキャストという新人種である。
ユオルが言っていたように、コンセプトは【精密作業と決められた動作過程を効率的に行う為の失敗を極力起こさない存在】
要するにロボットである。しかし、ハカセとそれに毒されたユオルの【浪漫仕様】によって、人型ロボット【銅鑼衛門】を目指し鋳造された。


「ごごっごー!」
「まじんっごー!」
「「どらえもーぉおおおおん、ぜぇええええっと!」」


・・・ノリノリ過ぎた為に、頭部着脱式になったのは御愛嬌・・・だ!
こうして誕生した、昭和と現代を融合した超キャストも、その生涯で尊敬してやまなかったヒューマンとニューマンのTOPがまさか、旧時代の作品に影響されてノリで創ったなんて思わなかっただろう。
この流れのせいで超キャストは一度ならず家出したりグレたりするという、機械らしかぬ突飛な行動に出るのだが本筋にあんまり関係ないので割愛する。
ちなみに名前はハカセとユオルの二人で考えた。


「キャストオリジナルだから略してヤオルでいいだろう」
「とーちゃんそれ危ない!」
「・・・確かに、801のあだ名で呼ばれていじめられたら確かにことだな」
「ガガガギギーンってかんじがするから! オガギギギギーン!」
「なんだそのネームングセンスは・・・」
「だめ?」
「ださい」
「(´・ω・`)ショボーン」
「オガギ・・ウギギ・・・イギ・・・。うーむ。オーガ、オーギ、オーン、オガ、オギ・・ふむオギか・・・」
「オギ?」


「オギは河原などに生育する多年草。
 ススキによく似ているが、草丈は2mを越える。
 種子でも繁殖するが、群落の拡大は地下茎で行うので、
 土壌は粘土質から砂質であることが必要で、礫を多く含む河原では生育しない。
 洪水などの増水には耐えることができるが、地下部が長期にわたって水没するような場所にも生育できない。
 したがって、広い群落を形成する場所は、中流の下部から下流の上部までの範囲であり、通常水位から高い高水敷などである。
 下流の感潮域では、ヨシ群落よりも高い場所に生育する。
 ススキとよく似ており、区別に迷うことがあるが、オギは地中に横走する地下茎から地上茎を立ち上げるので、
 群落を形成していても株立ちすることはない。
 茎は堅く、ササの幹のようであり、簡単には引きちぎることができない。
 葉の幅も広く、花穂もより大型である。もちろん草丈も高くなる。
 オギは洪水によって倒匐しても、節から新たな地上茎を発達させて回復することができる。
 オギ群落が発達している場所は、増水時にも緩やかに水位が上下するような立地であり、濁流が流れるような場所ではない。
 増水時には砂やシルトなどが群落内に堆積するのが普通であり、倒れた茎から新芽を出すことができる能力は、
 このような堆積環境によく適応している。
 ススキも河原には生育は可能であるが、草丈と堆積・埋没に対する適応能力ではオギに負けている。
 しかしながら、オギは刈り取りには弱く、地上部を年1回刈り取られると、数年で急激に勢力が弱くなってしまう。
 この点ではススキに負けている。
 したがって、刈り取りが行われるとススキが優勢となり、放置されるとオギが優勢となる。
 オギは漢字で書くと「荻」であり、地名や名字でお馴染みである。
 昔は洪積平野などに広く生育していたのであろうが、水田や畑地として開墾されてしまったものと思われる。
 オギ群落の発達している場所は、土壌が砂質から砂質粘土であり、根菜類の栽培にはもってこいの土壌である。
 最近は放棄水田などに群生しているのを見かけることも多くなった。
 本来はこのような時折冠水するような低湿地に広く群落を形成していた。」

「――――長いよ」

「お前が考えた開発コンセプトと同じだろうが・・・」

 

 そんな意味合いを持たされて超キャストの名前は『オギ』と決まった。
後の、【第二の復興の歴史の中での最終決戦】で『オギ』はこの幸福だった時のことを思い出し・・・。
それはともかく、ヒューマン至上類稀を見ない後天的天才、ニューマン至上度々発生した突然変異型天才、キャスト内最高命令権持ちロボット。 
が、揃ったことで・・・ハカセは燃え尽きの枯れ枝だったからケツを蹴っ飛ばされなけりゃエロゲーをしてたが。
とにかく。
これだけのメンツが揃ってもまだまだ無理な物は無理なのだ。
事態は拙速を求めていたので、培養層で一定肉体年齢まで即席ラーメンなニューマン量産。キャストも同様にガンガン創っていった。
人が増えると仕事が増える。人が多いと管理が面倒。人が多すぎて把握できるってレベルじゃねーぞおい!
という未来がハカセには容易に想像できたので、その辺も楽にして自分が楽するために、ユオルとオギとの三人でどうにかすることにした。

が。


「ハカセもユオルもオギちゃんも最近構ってくれなくて寂しいですよーぅ」


 あーでもないこーでもないとうんうん唸ってたら半月も妻を放置プレイにしていたという。
まったくの素人である妻なんかいても邪魔にしかならないだろうと先入観で決めつけていたが、この時三人に電流が走る―――――。
そうっ・・・! 我らを楽に暮らさせてくれる存在っ・・・! 寛容っ・・! 全てを受け入れる心っ・・・! つまり母性っ・・・!
母性が何質問しても応えてくれる超甘えられる存在。つまりマザー。 機械だし人間じゃねぇし、でも求めてるのは限りなく人間に近い思考だから皮肉として脳みその意味のブレインにするべ!
で、マザーブレイン爆タンである。
このマザーがどんな感じかと言うと、BARDSKYで出てきた『マザー』みたいなもんである。
要するに、月面都市内ならその管理権限に及ぶ限りどんな質問にも応えることが可能で、どんな複雑な計算でも瞬時に計算可能という人と機械を融合したかのような万能戦士なのである。
あんまりにも万能すぎたのでハカセは狂喜乱舞し、もう全部こいつに任せてしまおうかと思うほどの万能ぶりだった。
マザーの八面六臂の活躍により、『欠陥天才計画』、『画一機械計画』、『学習装置計画』・・・etcと次々と夢想でしかなかった計画が実現されていった。
そして、身の回りの生活に余裕を持てるようになってやっと地上復興の先導種族、ビーストが誕生する。
ビーストは、ヒューマンやニューマンよりも運動性能に性能全てを傾けたかのような種族であり、キャストのような精密機械の固まりが探索できないような
水の中や砂漠、熱帯や寒冷地など環境の厳しい中でも生き抜ける強靭な種族として地上復興にその現場で主な役割を果たした。
 ――――そして、地上復興は無事に進んでいった。
これ、異常、亡い、くれ言うあ二尾亜dcpヴェjlqsfくぇrlくぃlrヴぃおjヴぇ。











































  死

 「―――いやだ!ハカセ殿!ユオル殿!ビスチェ殿!何故だ!何故私をも一緒に死なせてくれなかったんだぁあああああああああああああああああああああああああああ・・・・ぁ”ぁぁ・・・」

 百光を放つ放雷は地上を焼き尽くし、母と父なる座は民を滅ぼした。
無念を抱えた人形は、全ての望みを託され、独り地上へ流星となりて堕つる。
かの人形が彼らの無念を果たすのは百年後。

 ファンタシースターZERO。
全てのZEROが明らかになったのは、百年後のことであった。







※【上条当麻の物語・序論】は一応プロットは【捏造!PSZERO物語】と同様仕上がってるんですが。
二次創作でPSUものがあったから投稿してみたテスト。
やる気が出ないので手をつけてないという…。
最近ニコニコで執筆のやる気が出る曲を見つけたので、それでどうにかするか…。




























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